このページでは、プッペンハウスヨシノ発行の機関誌プッペンハウスニュース
(休刊中)の毎号表紙で連載されていた所蔵品紹介を掲載します。
<このページは定期的に更新していきます>
たとえば国王が作らせたような歴史的ドールハウスならその由緒来歴をたど
るのも容易だが一般的な物ではなかなかそうはいかない。 ところがひょんな事で過去が知れることがある。こんかい扉を飾るドールハウ スは、ドイツのはんに紹介されている物と同じ物ではないかと読者の指摘があっ た。送られた写真を調べてみると、若干失われている部品があるものの、まった く同一の物であった。写真の解説文をここにあげてみる。 ・・・この人形の部屋はとても小さく、物が詰まりすぎていますが、人形の部 屋というものはそれでかまわないし又そうでなければなりません。(ビビアン・ グリーンの言葉より) この部屋の塗装と壁紙はオリジナルのままです。6体の小さな素焼きの人形 以外はすべて象牙または骨からできています。5枚の象牙の額に入った水彩画、 コーナーの祭壇、裁縫台やハープシコード、ピアノや、鏡台などなど。現在の様 子から見ると、すべてそこに最初からあった様に思われるかも知れませんが、実 はあらゆる部品は私が一個づつそれも何年もかけて苦労して購入したものなので す。 彫刻者にとって象だけでなく河馬、まっこう鯨、いっかく等も又価値ある材 料を供給します。入手するのも簡単で細工もしやすい合成素材が、年々象牙に変 わっている為、象牙細工師の作品はますます減少の一途をたどっています。象牙 のミニチュアに付いて、何人かの著者が私蔵のコレクションや、博物館のものに ついて書いています・・・ 共同執筆による本だが、この項はClarie Henningというコレ クターによるものらしい。発行は1981年となっているが、ワシントン条約( 野生動物保護条約・1973年採択)などまるで念頭にない文面から考えると編 集はかなり逆上るものと思われる。 (資料提供・翻訳は久留米の大内俊子様) |
ドイツ19世紀末 「象牙の部屋」 高さ18cm 幅27cm 奥行12cm |
(プッペンハウスニュース 1994年11月3号より)