いきなり始まりました、「DHに役立つ(かもしんない)塗料・塗装講座」
まず初回はお題がありましたので「染料と顔料」にします。
話の進め方は対話形式にしました。(特に意味無いが・・)
一応登場人物は
教える人(師匠)と教えられる人(05)の二人が話を進めてます。
ちなみに師匠と05はモデルはありますが実際の人物とは全く関係ありません。
師匠:
「いきなり始まった塗料と塗装の講義だが、勉強する覚悟はできているか」
05:
「えー、師匠から抗議されるようなことした覚えありませーん。」
師匠:
「馬鹿者!そのこうぎではなーい!勉強する方のこうぎだ。
よく考えてからしゃべるのだ。」
05:
「わかりました〜。と、今回は何を勉強するんですぅ?」
師匠:
「おっ、結構素直だな。まずは顔料と染料の違いからだ。」
05:
「そんなのどうってことないです。使い方が違うんでしょ。
顔料は塗料や絵の具なんかに使って、染料は字が表すように染め物に使うんですよ」
師匠:
「うーん、そんなイメージで捉えている人は多いかもしれないな。
もちろんそれは違いといえば違いだが、これこそ顔料と染料の根本的な
成り立ちの違いからきているための使い方の違いなのだ。」
05:
「何なんですか、その根本的な成り立ちの違いって?」
師匠:
「そうだな、分かり易くいうと大きさの違いだ。染料は非常に小さい分子
(昔、習ったはず!)までに分かれているが、顔料はそれがかなりの
数が集まった結晶、言うなれば粉末だ。だから、染料は水などに(溶ける)
っていうけれど顔料ではそういわない、いうなれば(混ざっている)
といったところだな。」
05:
「溶けると混ざっている?いまいち違いがわかりませーん」
師匠:
「そうだな、たとえるなら(溶ける)は塩や砂糖が水に溶けるようなものだ。
(混ざっている)は水と油を一生懸命振って濁った状態やあるいは砂を水に
同じように振った状態だ。」
05:
「その違いなら何となく解ります。でも(溶ける)はそのまま溶けた状態が
続くけれどその(混ざっている)状態はほっとくと分かれたり沈んだりしますよね。
塗料はそんなことが無いような気がしますが」
師匠:
「うーん、いいところに着目するな。この(混ざっている)状態で塗料中の
顔料を安定にする事を(分散する)というのだ。すなわち塗料は顔料が
(分散)されたモノなのだ。それが証拠に古い塗料やあまり良くない塗料は
顔料が沈んでかちかちになっているのを見たことがあるだろう。
これは時間が経つにつれて分散がダメになったり、そもそも分散が
うまくいっていないのだ。これに対し染料では色が下にいったり、分離したり
する事はないのだ」
05:
「そういわれればそうかも。下に顔料が固まった塗料を見たことがあります。」
師匠:
「顔料は所詮、結晶だから粉であることには間違いない。
だから塗料では分散状態でしか、塗装後は塗膜の中でないと
安定して存在できないのだ。染料はもともと分子だから塗膜でなくても
繊維等に染着するのだ。」
05:
「それが最初にいっていた、染めることと塗料にする事の違いなんですね」
師匠:
「逆に言えば繊維を染めることができて、かつ簡単に色落ちしない物を染料といい、
水や溶剤に溶けない色を持つ微粉末を顔料というのだ。」
05:
「うーん、塗料で染料は使えないのですか?また顔料を染料みたいに
使うことはできないんですか?」
師匠:
「そうだな、そこの違いを次回の話としよう」
(つづく)
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